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    16.宰相中将登場〜17.二人の男

    • 2014.10.28 Tuesday
    • 22:43
    JUGEMテーマ:古典文学

    16.宰相中将登場

    さて、今宵の宴会には宰相中将も参加していました。
    今はもう宰相中将は光君の事を恋い焦がれているので、いつものように「たとえ無駄だったとしても薫君に恨み事を言い、面影が似ているはずの薫君の姿を見ることで、光君の類い稀な美貌や雰囲気を見てみたいという気持ちを慰めよう」と思っていました。

    宴会の後、「帰った様子もなかったけど、どこに行ったんだろう薫君は」と宰相中将が探し歩いているうちに、薫君が詩を口ずさんでいる声が聞こえました。そこで声のする方向に行ってみると、直衣や指貫の上に紅色の艶やかな上着を羽織って、たいそう小柄で若く優美な薫君の姿が、月の光に輝くばかり素晴らしく見えました。
     薫君はいつもよりしんみりとした態度や様子で、涙でぬれている袖のあたりから、今日は常日頃たきしめているのとは違う珍しい香の香りがします。この様子に宰相中将は「男である自分である自分でさえ魅せられてしまうのに、ましてこの人の方から一声声を掛けられたら、知らぬふりをできる女性なんていないだろう」とうらやましく、気がひける思いすらします。
     宰相中将も風流で優美な男性ですので、そんな宰相中将が薫君を引きとめて恋の恨み言などを訴えている情景は、もし他の人が眺めていたら、さぞかし優艶でまことに風情があった事でしょう。

    【解説とツッコミ】
    源氏物語もそうですが、平安文学って結構少女マンガチックな所があります。美男子同士が語らい合う情景を耽美的に描くのって、少女マンガ、っつーか腐女子な人達の世界ではありがちな事で、おそらくこのシーンはそういう目線で楽しむべき所なんでしょう。男の私には全然良さが分からないんですが、その筋の人にはたまらない一節かもしれません。
    まぁ、っつっても片方は実は女なんだけどね。



    17.二人の男

    薫君は基本、他人に対して親しくしたり打ち解けた話をしたりする事はなく、あんまりな程によそよそしく過ごしてきたのですが、この宰相中将だけは突き放しにくく感じていて、落ち込んでいる様子が気の毒でもあります。なので薫君も一緒になって、

    「こんなに私に恨み言を言われても・・・。ただ、何だかんだ言ってもあなたは口がうまいので、すぐ心変わりするんじゃないかと心配です。私としては気の毒だなあと思う時もありますが、かといって光君の考えもあるし、自分の思い通りにできる事でもないので、ただこう恨み言を聞いてあげるくらいしかできなくて申し訳ないです。」と嘆いています。

    薫君は、ついさっきまで自分の心と身体の不一致について考え込んでいたのを引きずっていたので、どことなく深く思い悩んでいる様子でした。それを見た宰相中将は、

    「これほど悩みの無い境遇なのに、この人は何が不満でずっと嘆いていたんだろう。あまりにも真面目すぎて取り繕っている感じがするのも、何か思う事があるからなのだろうか。
    妻になった四の君に対する不満なども聞いたことがないし、せっかく、私の憧れの存在だった四の君の顔を毎日眺められるという大変うらやましい立場にいるのに、どういう理由でこれほど物思いにふけっているのか。
    最近女東宮になられたばかりの、帝の一の宮様に思いを寄せているのだろうか。でも、それだってこの人の身分をもってすれば、決して全く叶わぬ恋ではないはず。
    ・・・まぁ、それはそうとして、心に隠し事がある人は、格別に情緒ある雰囲気を漂わせるものだなぁ」

    とあれこれ推測して判断しては、色々と他愛のない事を言って場をつないでいました。

    「悩んでいる事があったら、私がこの身に代えてでも、工夫して情勢を判断して希望通りに叶えてあげましょう。あまり距離を置かれてしまうと・・・」

    と宰相中将が恨みがましく言うと、薫君も返事のしようがなく、

    「親身になって相談してもらえばすぐに解決する問題だ、とあなたは簡単にお思いなんでしょうね・・・。」

    と笑ってはぐらかします。そんな薫君の声はたいそう風情があり、しみじみと感じられるので、最近の癖でつい涙もろくなっている宰相中将は、こんな事でもほろほろと涙をこぼしてしまうのでした。それを見て薫君は

    「私はどうしても自分の心が罪深いとしか思えないので、あなたの悩みが一段落ついたら、深い山奥に身を隠そうと思っているのです」と打ち明けました。
    すると宰相中将は「それはまぁ。そう決心なさった時は、私を後に残さないで下さい。私だってこのまま世間にはいたくないと、わけもなくそう思う気持ちが、年月と共に強くなって来ています。でも、さすがになかなか決心できないでいるのです。」と、しんみり語りながら夜を明かすのでした。

    翌朝、別れた後も宰相中将の方は「この薫君という男性は、万事優美で優れている中でも、際立って細やかな雰囲気など、女性としてお世話したくなるほど素敵なところがあるなぁ」と、慕わしい気持ちが湧いてきて、なおさらその姉にあたる光君の姿が思われてくるのでした。
    このように宰相中将があれこれ心を尽くして悩んでいるのに、かといって薫君が親身になって方法を考えてくれたり、兄妹という立場を利用して光君への恋の仲介をしてくれるわけでもないので、宰相中将は「どうしたらよいか」と日々思案に暮れています。

    【解説とツッコミ】
    フェロモンですよこれ。
    フェロモン出てんですよ薫君。女性の。

    この一節で面白いのは、宰相中将は自分の恋の悩みとか、深刻に悩んでいる風の薫君の心配とか、真剣にそういう話をしているのに、チョイチョイ

    「あぁでも薫君かわいいなぁ・・・」

    という雑念が所々でまだらに入るんですね。見た目は男だから何をしようという気にもならないのですが、、宰相中将の男の身体が薫君の女性のフェロモンに自動的に反応してしまっている。さすがは肉食系男子の宰相中将。大丈夫なのか薫君!?

     

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