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    87.四の君勘当

    • 2015.02.07 Saturday
    • 22:05
    JUGEMテーマ:古典文学

    87.四の君勘当

    右大臣の何番目かの姫の乳母の中に、四の君とその侍女たちとは気性の合わない人がいました。

    その乳母は日頃から「右大臣は末娘の四の君ばかりを最愛の娘と思い、他の姫君たちをとんでもないほど軽く考えている、くやしい、ひどい」と思い込んでいましたが、今回の成り行きをほのかに耳にして、今の雰囲気が雰囲気なだけにチャンスではないかと考えました。
    そして、右大臣がきっと目に入れるに違いない場所に、誰かに宛てた風に書いた手紙をわざと落としておきました。その手紙には

    「薫君は、宰相中将の密事に気をくさらせて失踪なさったのです。四の君にお生まれになった姫君も宰相中将の子なのです。それを薫君はわが子とお思いでたいそう喜んでおられたのに、お生まれになった様子が間違いなく宰相中将の子だったので怪しんで見ていたところ、七日目の産養のお祝いの夜、宰相中将が四の君の寝所に入って横になっていたのを薫君が発見なさったのです」

    などと詳しく書いてありました。これを奥方が見つけられて右大臣にもお見せしたので、右大臣は「あきれたことだ」と信じて、そういう目で四の君の姫君を見てみると、確かに間違いなく宰相中将に似ていたので、「噂は嘘ではなかったのだ」と納得しましたが、言いようもなく無念です。
    悔しさのあまり怒りっぽくなっている右大臣なので、四の君を長く勘当して、今後はお世話しないことにしてしまいました。

    「全く無念だ。今後はこの屋敷にもいてはいけない。今となっては、見守り忠告するのも無駄な事よ。世間の人々の聞き耳や、左大臣の思惑もある。薫君自身も、現世を捨てていてもきっとこの話は噂でお聞きになるだろうから、それがどうにも恥ずかしい。もし薫君がこの話を聞きつけたらきっと、だから嫌だと思っていたのだと心底思われることだろう」
    と右大臣はおっしゃって、四の君を外に追いやってお世話しないことにしました。

    四の君の心中はどんなに苦しくお感じだったことか。
    意識も失われるほどに深くお悩みであるから、宰相中将との間を手引きしていた侍女の左衛門は「同情しきれぬほどお気の毒だ」と責任を感じます。そして「いくら辛くても、今は宰相中将以外の誰にこの事を申し上げられるだろう」と思い、四の君が両親のお咎めを深く嘆いて、まったく息も絶え絶えになった様子を、五六枚の紙に哀れにも悲しげにも書き綴ります。
    そして、以前お使いにやってきた侍を探し出して、
    「これを宰相中将様にきっと差し上げてください」
    と渡すと、侍は手紙を内裏に持って参上し、宰相中将にお届けしました。

    【解説とツッコミ】
    浮気がバレて親子の縁を切られる気の毒な四の君。

    考えてみると彼女はちょっと被害者だよなぁ。実は女である薫君を夫に持ち、夫婦生活が何であるかを知らないでいたのが、宰相中将に強引に手篭めされて初めて男女の仲を知る。そりゃ自分は薫君に騙されて、愛されていないと思うだろうし、信用できないし、男といったら宰相中将しか知らないんだから、そりゃ宰相中将と浮気するわなぁ。

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