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    92.左大臣の失望〜93.尚侍の決意

    • 2015.02.19 Thursday
    • 00:27
    JUGEMテーマ:古典文学

    92.左大臣の失望

    左大臣は、わが子が行方不明になり「今日か、今日か」とお帰りを待って日を過ごしていましたが、出家姿になっている可能性も考慮して探してみても一向に発見できず、2ヶ月ばかり経過してしまい、さすがに気もそぞろになっておられます。

    「たとえ出家していたとしても、あれほどたくさんの所を探し求めたのだから見聞きしないわけがない。いくら薫君でも、はるかな田舎まではお出かけにはなるまい。また、国々の境にいたるまで探し求めない場所は無かった。
    宰相中将自身がそんな悪事を思いつくことはないだろうが、例えば心のよからぬ召使いなどが、宰相中将がこれほどまでに気を揉んで四の君の所に忍び通っているのを見て、四の君の夫である薫君の存在をおもしろくなく思い、一思いに殺してしまったのではないだろうか」
    とまで被害妄想を膨らませて、卒倒しそうになっています。

    今はもう、薫君を恋い慕ってお泣きになる事もなくなって、ぼんやりと横になっておられるだけなので、邸内の人々は、薫君失踪の悲しみに加えて、元気のない主人の様子を嘆きながら身の回りのお世話をしています。

    【解説とツッコミ】
    いかにもこの人っぽい被害妄想ね。「悪い召使いが宰相中将が浮気で苦しんでいるのを見て、主人を喜ばせようと邪魔な薫君を殺害したのではないか」って、思い込みが激しい人が疑心暗鬼に陥ると、往々にしてこんなありえない事を考えたりしますね。



    93.尚侍の決意

    光君も内裏から里に退出なさって、かつての夕暮れの別れの時、薫君が話していた様子などを思い浮かべると、

    「あの時すでに、この身は最後だと決心なさっておられたのだな。そうだと知っていたなら、あの夜お帰しはしなかったのに。私も一緒に連れて行ってくれと言えばよかった。
    薫君とは幼い時こそは縁遠い兄妹だったが、このように離れ離れになってからは、内裏と里との往復にも内裏での参上退出にも付き添ってお世話してくださった事が、我が身の光栄と頼もしく嬉しく思っていた。わずか二人だけの兄妹だったのに、妹が行方知れずになってしまった辛さはどう言い表しようもない。
    そもそも私が、男姿で世間に出ていたらよかったのだ。薫君だって、最初から女姿で世間に出ておられたならば、こんな事にはならなかったのに」

    と思案しています。

    「あのお姿でどんな所に身を隠し、どんな山奥に潜んでおられるのだろうか。薫君は情に厚く、理屈も分かっておられた人だったが、実際は女でありながらとても男らしく隠遁を決心された。
    それなのに男の身に生まれついた私ときたら、幼いうちこそ気の向くままに過ごしてきたけど、その結果、今はこういう女姿となり、人に大切にされて深窓で暮らしているなんて、誠にあきれ果てて嫌な事ではないか。

    父君も、今回の事がショックでお亡くなりになるかもしれない。父君ご自身は身分上制約の多いお体だから、自らお出かけになって薫君を探し出すわけにはいかない。かといって他の人では、通り一遍の噂をあてにして動くだろうけど、心を込めて訪ね歩く事はしないだろう。それに、たとえ薫君がどんなに変わった所に行ったとしても、現実問題として、この畿内以外の地まで行くとは思えない。

    よし、私はこうしてばかりはいられない。
    男姿に戻って薫君を探し求めて、どんなお姿になっていようと、見つけられたら一緒に帰ってこよう。

    それでもし探し出せなかったら、そのまま私も出家姿になって、深山に消息を絶つことにしよう。父君には家臣がそのまま仕えてちゃんと面倒を見てくれるはずだ。
    長年、女として大切にされてきた私が、急に世間に顔を出して人を指図し、父君をお世話する事はできそうもない。でも、ただこのまま何もせず薫君に先立たれてしまったら、私自身がこの世に生きていけるはずがない」

    と、夜昼涙に沈みつつ考えています。

    【解説とツッコミ】
    ぐおおおおお!!
    妹の危機を前に、ついに覚醒する光君!!
    アツい!これアツいよ!!

    さぁ急げお兄ちゃん!妹が宇治で独りで泣いている!!
    これを助けられなきゃ男じゃねぇ!!(寸前まで女だったけど)

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